院外茶話
余生の終わり

長寿 義父は瀬戸内海の小さな島で生まれた。能美島という。お寺の九男坊で、実家の寺は長男が跡を継いだ。他の兄弟もたいがい仏門に入ったけど、義父は医師の道を選んだ。 当初、広島市民病院に勤務をしており、たまたま原爆が投下され […]

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院外茶話
余生の始め

引退 義父が尾道を出立したのは、翌9日のことである。小さな鞄一つで我が家にやってきた。「いつまでおるかわからん。おいてもらえる間はおるで」来るとは聞いてはいたが、どうやって迎えればよいか、考えてもいなかった。とにかく以前 […]

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